Vol 03

    世界にはばたき躍動する
    「スポーツアイランド沖縄」

    官民一体となって盛り上げるスポーツ×観光

    年間を通して温暖な沖縄県の気候は、スポーツを楽しむのに最適です。スポーツ資源や宿泊施設が充実しているため、多くの団体や個人がキャンプや合宿に訪れています。また、県内プロスポーツチームやトップアスリートなどと連携したイベント等も進められています。まさに「沖縄でスポーツを楽しむ。観戦する。」ために、多くの人が沖縄を訪れ、観光も楽しんでいます。県は、このような「スポーツ×観光」の動きをさらに盛り上げるため、市町村やスポーツ関連団体、事業者との連携をさらに深めていくこととしています。

    今回の「沖縄観光みらい新聞」では、スポーツを通して沖縄観光の未来を明るく照らす人々や沖縄県の施策を紹介していきます!

    スポーツで成長する沖縄観光

    沖縄でのスポーツキャンプで特に有名なのが、プロ野球のキャンプ。国内外のプロ野球チームが沖縄県内各地でキャンプを実施しています。選手や球団関係者、マスコミ関係者の他にも、普段はなかなか見る機会の少ない選手たちの練習風景を観ようと、県外からも多くの人が訪れています。
     練習やオープン戦が行われる施設周辺では、宿泊施設や飲食店、交通機関など、さまざまな業種に経済効果が波及します。キャンプ見学だけではなく観光を兼ねて訪れる人も多いため、スポーツが沖縄観光の呼び水の一つともなっています。

     りゅうぎん総合研究所によれば、コロナ前の2019年には春季キャンプの経済効果は約141.3億円で、産業別の内訳では宿泊業が28.2億円、商業が17.3億円、飲食サービスが16.4億円と、各産業に大きな効果をもたらしています。

    沖縄県内でスポーツキャンプが集中する冬季から春季にかけては、夏季などに比べて観光客数が比較的少ない「沖縄観光のオフシーズン」に当たるため、沖縄県としても推進している「観光需要の創出」に貢献しています。
     また、近年では、キャンプや合宿だけでなく、県内プロスポーツチームを中心としたホーム戦が定期的に開催されることで、対戦相手であるアウェーチームの選手や関係者、サポーターなどが各地から定期的に沖縄へ訪れています。このように「観るスポーツ」も沖縄観光の新たな魅力となっています。

     スポーツイベントも同様に多くの人々を沖縄に引き寄せています。マラソンやトライアスロン、自転車ロードレースなどには、国内はもちろん、海外からも多くの参加者が集まり、沖縄の海や山といった自然の魅力を存分に感じることのできるコースを楽しまれています。

     このように、スポーツによる効果で観光客が増加し、それによりさらに、魅力ある観光地となる好循環が生まれ、沖縄県民が経済的や文化的にもメリットを享受すると共に、スポーツ施設の充実・新たな産業の創出など、地域・経済の活性化にもつながっています。

    女子ハンドボールの「ザ・テラスホテルズ ラ・ティーダ」は、選手がチームの母体である「ザ・テラスホテルズ株式会社」が運営するホテルに勤務しながら、スポーツとホテル業の両面から沖縄観光を支えています。

    チームキャプテン 中山朋華選手

    Q.ホテル勤務の魅力は?

    普段は弊社フラッグシップホテルのザ・ブセナテラスで電話対応の担当をしています。お客様からサプライズのケーキや花の手配依頼を受けることなどもありますが、いろいろと手配したことがお客様に喜んでいただけた時には、自分の事のようにうれしく感じます。試合の遠征などで全国各地のいろいろなホテルに泊まる機会がある中で、自社の雰囲気や接客のレベルの高さを肌で感じ、この仕事へ携わることに誇りを感じています。

    Q.スポーツ選手とホテルスタッフの共通点はありますか?

    “人を楽しませる”ところでしょうか。そのため『その人には今、何が必要か』を意識するよう心がけています。試合では、負けているときであってもまるで勝っているかのような前向きな雰囲気を作ることを意識しています。キャプテンを任せられていることも、仕事を任せられていることも、『徹底してやり切りたい』という気持ちは同じです。

    Q.ラ・ティーダとして沖縄観光をどう盛り上げていきたいですか?

    本拠地が名護市なので、本島北部の活性化につなげることができたらと思います。そのためにもチームの活動を県内外問わず多くの方に知っていただき、試合にも足を運んでいただけるよう取り組んでいきたいと思います。

    ゴールキーパー 桑原美紗季選手

    Q.ホテルでのお仕事の内容を教えてください。

    チーム名と同じ名前の、ザ・ブセナテラスのカフェテラス「ラ・ティーダ」のオープンキッチンでオムレツなどの調理を担当しています。お客様から『ハンドの選手の方ですか?』と声をかけてもらえることもあり、試合を観戦していただいているのだと気が引き締まります。

    Q.スポーツ選手という立場から、どのように沖縄観光を盛り上げていきたいですか?

    ハンドボールは少しずつ人気を集めてきてはいますが、他の県内プロスポーツチームと比較するとまだまだ認知度が低い部分もあるかと思います。まずは沖縄の中でしっかり活動し、チームの知名度を向上させることで、ザ・テラスホテルズを利用したいというお客様が少しでも増えたらと思いながら試合に臨んでいます。

    チームの管理栄養士 友利由希さん(ロクト整形外科クリニック所属)

    Q.管理栄養士のチームでの役割とは?

    栄養士として、ラ・ティーダの選手を始め、県内でスポーツキャンプや合宿を行うスポーツ団体で栄養管理を担当しています。キャンプ等の受け入れの際には、管理栄養士も含めて、医療関係のスタッフの対応が必要不可欠で、選手や関係者に安心・安全を常に提供できるように心掛けています。栄養バランスなどを日頃からとても気にしているアスリートにとって、安心して美味しく食べられる食事は厳しい練習が続く日々での大きな楽しみとなります。スポーツという側面から沖縄に訪れる人々をケアできる魅力的な仕事だと感じています。

    チームスタッフ 内藤結貴さん

    Q.チームスタッフとしてはどのようなお仕事をしていますか?

    広報や遠征時のやり取りなど、事務面でのサポートを担当しています。昨シーズンまでは私も選手でしたが、現在はスタッフとしてさまざまな分野の方と出会い、関わりを持つこともこの仕事の魅力の一つです。今後は、環境が整っている沖縄へ県外の女子スポーツチームのキャンプを誘致し、一緒になってスポーツで沖縄を盛り上げていきたいと考えています。

    Q.ホテルでのファンの方々との交流はありますか?

    ホテルをよくご利用いただくお客様がラ・ティーダのことをご存じで、試合を観戦していただけるようになりました。また、直接、選手との触れあいを楽しんでいただいたり、ホテルで販売しているチームのオリジナルグッズをご購入いただくなど、ホテルの利用を通してチームのファンになってくださるお客様もおられます。名護市は魅力ある観光地なので、対戦チームの応援にいらっしゃった県外の方にもさまざまな面で楽しんでいただけると思います。観戦を機に、当ホテルを利用していただけると嬉しいですね。今後は、チーム関連のイベントも自社ホテルで開催できればと思います。