未知への挑戦は新たなる自分自身との出会い

Profile
南城市観光協会インタビュー 比嘉 さつき(ヒガ サツキ)さん 39歳

南城市観光協会は、温かな人々や貴重な文化遺産、美しい自然など、地域の特性を生かし南城市の魅力を発信する観光事業者である。その使命は観光PRに留まらず、職員の働きやすい環境づくりや市民の幸福など、南城市全体の振興を目指す。

観光産業への憧れから長年にわたりホテル業界に従事してきた比嘉さんは、出身地である南城市の魅力を発信するべく、現在は南城市観光協会の物産館に勤務。ハートのまちならではのホスピタリティで、地域の魅力を伝えることに情熱を注いでいる。

Q.比嘉さんの経歴についてお聞かせください。
#01

リゾートホテルやシティホテルなど、約13年間にわたりホテル業界に勤務してきました。ホテル業界を目指したきっかけは、当時姉がホテルの専門学校に通っており、その学習内容や研修先での経験を楽しそうに語っていたことが大きな影響を与えました。ホテルに就職後の姉は「お客様からの感謝や笑顔が最大のやりがい」「さまざまな出会いが新鮮」と語っており、その姿勢に感銘を受けました。これが私の「心からおもてなしを提供したい」という想いと、ホテル業界への志望につながりました。

Q.南城市観光協会で働くきっかけを教えてください。
#02

今TikTokやInstagramなどSNSで地元を紹介する配信者が増えてきており、その投稿を毎日楽しんで見ています。ある日、私の故郷である南城市に関する投稿を見た時、見たことのない景色や知らなかった情報、地元が舞台になった全国アニメなど、初めて目にする情報が配信されており、私はふと、ずっと沖縄に住んでいながらも、沖縄や南城市のことを何も知らないんだな、と感じてしまいました。その瞬間、地元の魅力をもっと知りたいと思い、南城市に触れるなら地元の観光協会と考え、求人に応募したのがきっかけです。

Q.ハートのまち南城市の魅力についてお聞かせください。
#03

歴史的名所や豊かな自然から観光名所が多いですが、南城市の最大の魅力は「人のあたたかさ」だと私は考えます。住民たちは常に笑顔で明るくおしゃべり好き。ここではゆったりとした癒しの時間が流れ、観光客だけでなく近年では県外から移住者も増加傾向にあります。観光協会の理念でもある「心と体の健康・癒し」が、まるでハートの地形のように溢れているのです。

Q.比嘉さんのお仕事内容についてお伺いします。
#04

斎場御嶽の入場券をはじめ、自然な恵みを生かした特産品や伝統工芸品を取り扱う、地域物産館で販売業務をしております。お客様への商品説明や案内、在庫管理、レジ打ちなど、これまでのホテル業務とは異なるタスクに携わっており、日々新しい経験が待っています。一見、簡単そうに見える業務ですが、実は奥が深く、わざわざ訪れる観光客を迎えるホスピタリティの質が非常に重要です。マニュアルに記載のない行動が求められ、商品知識や笑顔でのサービスなど日々学びの連続です。お客様のためにできる事を実践し、心からおもてなしを提供できるよう日々努力しています。

Q.お仕事のやりがいや楽しみについて教えてください。
#05

南城市の魅力が日々自身の知識として蓄積され、その魅力を観光客やインバウンドの皆様に伝えられていることは、非常に嬉しくやりがいを感じています。お客様との接触時間は限られていますが、物産館でのお買い物も南城市観光の貴重な瞬間です。その短い旅の一コマの中で、南城市の魅力をできる限り伝えるよう、日々自己を向上させるよう努力しています。その大切な旅の一コマの中「ありがとう」と感謝の言葉をいただく瞬間は、お客様と南城市の観光振興に貢献できていることを再確認し、非常に充実感を感じます。

Q.職場の雰囲気はどのような感じですか?
#06

勤め始めて最初に感じたのは、同僚や上司との距離の近さでした。職場は非常に和やかな雰囲気で、職員同士が積極的にコミュニケーションをとり、一つのプロジェクトにチームで協力し合って取り組む環境が整っています。これはハートのまち南城市ならではの特徴だと感じています。特に、私のような新人が提案を出す場面でも、上司は丁寧に聞いてくださり、一言一句を真剣に受け止めてくれます。正直、この温かい雰囲気には驚きました。観光産業は急速に変化し顧客のニーズも多様化していますが、この職場環境はチャレンジ精神を養い、自己発展を促すためのマインド構築にとても効率的だと感じています。まさに南城市観光協会が掲げる「待遇面や健康管理、チームワークなど職員の働きやすい環境づくり」という理念そのものです。

Q.南城市の観光資源を活用したコンテンツなど、反響の大きかった事を教えてください。
#07

南城市の魅力発信や観光業界を盛り上げるためにSNSを活用しています。特に展望台から眺めるニライカナイ橋の美しい景色は大きな反響を呼びました。この景色は地元民や私から見れば日常の一部ですが、読者や観光客にとっては、旅の思い出の「特別な景色」として受け止められています。普段の景色が特別だったと改めて認識させられる瞬間であり、なによりSNSの投稿に寄せられる高評価やコメントから、南城市の魅力を多くの人と共有し、沖縄観光に寄与できていることを実感しました。

Q.特に苦労したエピソードはありますか?
#08

右も左もわからない状態から異業種に飛び込んだことから、日々大変なことも多いですが、むしろ楽しいという気持ちが勝っています。取り扱う商品は数百種類にも及び、南城市の魅力は計り知れないほどです。その一つひとつを紐解く感覚が、観光客とともに魅力を共感しているようで、非常に充実感をもたらしています。休日には地元を楽しく散策し、初めての商品などは自身で購入して試すこともあります。この一つひとつ紐解く経験を通じて、私の言葉に実体験として積み重なり案内できるので、幸せな時間と感じています。

Q.今後の沖縄観光への期待を教えてください。
#09

日々の盛り上がりに自身も喜びを隠せません。わざわざお越しいただけるお客さまに心からのおもてなしを提供するためにも、これからの接客において自身の目標は英語スキルの向上です。特にインバウンドのお客様を対象にする際、言葉の壁を克服することは重要だと認識しています。日本を代表する観光地として、コミュニケーション力の向上は欠かせません。また、今後の交通インフラの拡大には期待しています。琉球民族の発祥の地として、観光資源も豊富です。経済活動の振興や地元民の生活基盤の向上、そして南城市全体の魅力を皆様に伝えるためにも、更なる交通ネットワークの拡充が必要と考えています。

Q.読者にメッセージをください。
#10

観光協会の仕事はとても楽しく、日々新たな発見を重ねることで、ますます南城市を愛する気持ちが強まっています。特に当協会の魅力は、年齢よりもスキルや経験などを重視し、誰もが輝ける環境を整えている点です。この環境により、皆が南城市の魅力を最大限に引き出しています。
ふと、なぜ毎日が充実しているのかについて考えることがあります。
多様性を尊重する現代社会において、私たちは従来の考えや規則に捉われずに挑戦する「新たな自分」を見つけています。この自己発見こそが楽しさの源と感じています。私にとってはこれが地元南城市の魅力でしたが、それは仕事に限らず趣味や旅行など、あらゆる側面にも当てはまると考えています。未知を学ぶことは、新たな情報の発見であると同時に、新たな自分との出会いでもあると思います。
皆さんもぜひ、新たな自分を発見してみてはいかがでしょうか。それはとても素敵な出会いだと思います。