次の世代へ伝えていく!琉球の歴史や沖縄観光の魅力を!

Profile
琉球バス交通 バスガイド 高安 麻衣(たかやす まい)さん 23歳 2018年7月入社

琉球バス交通は、沖縄県内を縦断する広範な路線バスと観光バスを運行する県内最大の公共交通機関。歴史や文化を巡るツアーを通じて、琉球の魅力に触れる特別な沖縄観光を提供している。
明るい笑顔や丁寧なおもてなしが印象の高安さんは、高校卒業後に琉球バス交通に入社。
先人たちが築き上げた琉球の魅力を、バスガイドならではの三線の音色と共に発信している。

Q.琉球バス交通に入社を決めたきっかけを教えてください
#01

学生時代、異国の友人に留学の相談をしたことがあり、「地元沖縄を深く学ばないまま留学しても意味がない」とのアドバイスに触れ、自身が生まれ育った沖縄の知識が未熟だと自覚しました。また、幼少期から三線を習いながらも、奏でる音色に関する歴史や琉球芸能への理解が不足していることに気づきました。これをきっかけに、沖縄について深い理解を得ながら、自身の三線のスキルを活かせる職業を模索。その中で、バスガイドがピッタリの選択肢であると感じ、働くなら県内最大手の琉球バス交通でと考え、この道を選ぶことを決意しました。

Q.高安さんのお仕事内容について教えてください
#02

古くから続く琉球の伝統的な景観や、広がる海や自然は、観光客にとって日常を忘れさせるほど特別な光景です。沖縄ならではの伝統や文化を、私の言葉で案内するのがバスガイドの仕事です。私たちが普段何気なく見ている街路樹ですら、マジムン(沖縄の妖精)が宿っているなど、素敵なエピソードが存在します。沖縄の魅力を一つ一つ丁寧に伝えていくことが、私たちバスガイドの役割であり使命です。

Q.お仕事で最大の魅力ややりがいは何ですか?
#03

まず、沖縄を訪れていただいた皆様との出会いです。様々なバックグラウンドを持つ方々に対し、バスガイドとして沖縄の魅力を伝えることで、印象に残る沖縄観光の思い出に関われることは、非常にやりがいを感じます。そして、感謝の言葉をいただけたときは、自己の成長を実感する瞬間であり、やりがいを超えた感動があります。日々の業務に取り組む中での一瞬一瞬が、やりがいとしてだけでなく、二度と出会えないほどの魅力を秘めています。

Q.お客様におもてなしを提供する際、心がけていることは?
#04

案内としてのおもてなしも大切ですが、私はサービス業の三原則である気配り・目配り・心配りを基本に心がけています。くしゃみをされるお客様には空調を調整し、ゴミ箱を必要とされる方には即座に袋をご用意、民謡を奏でる中で方言に退屈されているお客様には、カチャーシーで新たな楽しさをアプローチします。中には体調を崩されているお客様もいらっしゃるかもしれません。おもてなしは良いものを提供することだけでなく、真にお客様が求めているものを即座に判断し提供することだと思います。全長およそ12mもあるバスですから、常に気配り・目配り・心配りが欠かせません。

Q.成功体験エピソードをお聞かせください
#05

三線演奏が依頼された修学旅行において、自らツアープログラムを考案した経験が印象深いです。各エリアを巡る中、時折民謡を奏でるのですが、参加者は非常に若い高校生です。方言や琉球音楽だけでは盛り上がりに欠けると感じた私は、自身も高校生の視点でツアーを考えてみました。閃いたのは民謡パートを沖縄ポップスにアレンジすること。BEGINさんや夏川りみさんの楽曲を三線で奏でたところ、学生たちは大いなる盛り上がりを見せてくれました。この瞬間、私のバスガイド人生において、言葉では表せない嬉しさを経験しました。今でも当時の生徒一人一人の顔を鮮明に覚えているほどです。

Q.お客様の声やフィードバックをどのように取り入れていますか?
#06

初年度、新人として緊張もありましたが、一生懸命バスガイドとして案内に努めました。するとお客様から「よく頑張って記憶したね!」とお言葉をいただきました。流暢に案内する先輩バスガイドに比べ、私の案内は棒読みだったことに気づきました。当初、その言葉は悔しいものであり、この経験を契機に先輩バスガイドに同行し、言葉使いから仕草・表現方法までを徹底的に学び、自分のものに仕上げました。がむしゃらに追求し実践する中、ついにお客様からお褒めの言葉を頂けるようになったその瞬間、あの悔しい言葉を思い返しながらも「あの言葉がなかったら今の私はいないだろう」と直感。お客様からいただく言葉は、良いことも悪いことも、私の自己成長の一環として受け止めています。

Q.琉球バス交通の魅力についてお聞かせください
#07

琉球バス交通の魅力は、単なる社員としてだけでなく、人生の先輩としてアドバイスを提供してくれる点にあります。先輩方は沖縄の歴史や文化に詳しく、悪い点も率直に指摘してくれるため、多岐にわたる学びの機会があります。会社全体での協力や助け合いが浸透しており、異なる年代が協力して働くことで、互いに異なる人生経験から学び合え、成長の機会となっています。女性も活躍しやすい環境が整っており、女性運転手やママさん・ベテランのバスガイドも在籍しています。福利厚生や産休・育休も取りやすいため、女性が安心して仕事に専念できる環境だと感じています。

Q.琉球バス交通の社員としての責任についてお聞かせください
#08

先人達が残した小さな島の大きな魅力や歴史を、多くの人々に伝えていくことにあります。特に沖縄は歴史的な戦跡という悲しい出来事もありました。国際的な歴史の一部を伝えていくことで、異国の文化や歴史に敬意を払い、協力と理解の大切さや平和への継承を深く理解してほしいと感じています。また、その歴史の奥に築き上げられた、沖縄ならではの独特な景観やあたたかな文化が、沖縄観光の魅力として寄与しています。観光雑誌に掲載される内容だけでなく、更に奥深い沖縄を伝えることこそ、バスガイドとしての責任であり観光従事者としての使命と考えています。

Q.最後に、沖縄観光についてどのように考えますか?
#09

世界にアピールしたい沖縄の良さである三線や伝統芸能は、その豊かな歴史と深い意味から、観光客やインバウンドの方々により丁寧にお伝えできればと考えています。琉球の歴史が民謡に込められ、歌だけで時代を感じることができる点はとても魅力です。三線音楽や紅型、織物など、古くから伝わる文化が沖縄戦で消えかけましたが、多くの方々の努力により再興されました。これらの芸能や歴史は沖縄のアイデンティティを形成しており、語り継ぐことで沖縄の独自性や多様性を維持できます。これが工芸品や地域イベント、琉球料理といった沖縄観光の魅力となり、地域の産業や雇用に寄与し持続可能な観光を築いています。沖縄観光を一層盛り上げるためにも、地元の文化や伝統を尊重し訪問者に伝えていくことは非常に重要です。私はバスガイドとしてお客様に沖縄を案内できることに誇りを感じています。そして、バスガイドの魅力を皆様に伝えていくことこそ、次世代の仲間との出会いやさらなる沖縄観光の振興において非常に重要と考えています。