健康で充実した毎日を求め様々なことに挑戦し続けることが大切

Profile
タピックタラソセンター宜野座 図師 里佳(ズシ リカ)さん 34歳

宜野座村にある「タピックタラソセンター宜野座」は、地元の方々から観光客までが集まるリラクゼーション施設。ウォータースライダーや運動プール、遠赤外線サウナなどがあり、タラソテラピーという自然療法を提供している。この療法は海の資源を活用し、海水に浸かることで体調を整えるもので、美容法としても愛用されている。また、リラクゼーションプログラムやカリキュラムも充実しており、子供からご年配の方まで幅広い人が楽しめる。

支配人を務める図師さんは、水泳教室などの現場業務や訪れる方々へ向けたリラクゼーションの提案、職員のライフスタイルに合わせた業務構築など、施設全体の管理を行なっている。

Q.タラソテラピーについて教えてください。
#01

当施設は、「タラソテラピー」という健康増進手法を提供しており、この名前はギリシャ語の「タラサ」(海)とフランス語の「セラピー」(療法)からきています。主に人肌に温めた海水に浸かることで、ミネラルや栄養素を体内に取り込み、自己治癒力を高め、体内リズムを整え、リフレッシュや健康維持に貢献します。
最近では、リトリートに興味を持つ観光客やインバウンドの方々も多く、非日常的な空間で自己を見つめたり、健康を重視したりするために、デイプランから1泊2日、中には1週間滞在する方々も増えています。
タラソテラピーの魅力は、癒しに加え、体内から湧き出る元気や活力、そして旅や忙しい日常に対する充実感を得られることです。特に県外からの訪問者にとって、疲れやストレスに対抗する力を養う場所として人気があります。

Q.タピックタラソセンター宜野座を、どのようなきっかけでお知りになりましたか?
#02

ここを知ったのは19歳の大学生時代でした。宮崎県出身の私は幼少期から水泳を習っており、水と触れ合う機会は日常でした。初めて沖縄を訪れたのは競泳の大会でしたが、台風のため海に入ることが叶わず、帰りの飛行機から沖縄の海を見て、「必ず戻ってくる」と誓った瞬間を今でも覚えています。
家族での旅行も多く、中学時代にはポルトガルへの研修旅行が、観光に対する私の興味を高めました。中学2年で沖縄移住を決意し、高校卒業後に琉球大学に進学。観光学を専攻する中で、ヘルスツーリズム、ウェルネスツーリズム、タラソテラピーについて学ぶ機会があり、当時の恩師であり沖縄ウェルネスの第一人者でもある荒川先生の紹介で、タピックタラソセンター宜野座を訪れました。

Q.図師さんのお仕事の流れや、職場の雰囲気についてお聞かせください。
#03

この施設全体のマネジメントは、私の責任者としての本来の役割ですが、事務所にこもっての事務作業は私の性には合わないため、常に現場に身を置いています。
運動プールで子供達に水泳を教えたり、ご年配の方々と海水の中で運動したりすることで、お客様の実際の声を直接聞くことができます。また、人々と交流することで様々なことを理解できるため、その洞察を施設運営にどのように活かすかを、常に現場レベルで考えています。
また、当施設で働く職員は、子育て中の方や介護に対応しながら働く方など、様々なライフスタイルを持っています。そのため、皆が無理なく心地よく働ける職場環境を整えることも私の大切な仕事です。
職場の雰囲気はとてもアットホームで、子供を連れての出勤も可能なため、ママさん従業員にはとても働きやすい環境だと思います。
私自身2歳の娘がいるのですが、出産直後から子供を連れて出勤してました。産休後3ヶ月で職場復帰し、授乳しながらの現場は四苦八苦しましたが、周囲の職員のサポートや温かく理解のある雰囲気に支えられ、今では娘もすくすく成長しています。
小さなお子様がいても、安心して楽しく働けるこの職場環境は、沖縄の言葉で言う「ゆいまーる」な感じで充実しています。

Q.観光でいらっしゃるお客様も増えてきております。沖縄観光の今後の課題について教えてください。
#04

私たちがサービスを提供する際、沖縄観光は単なる観光名所巡りではなく、琉球王国の歴史や文化に触れたり、海洋性気候の中で自然療法を通じた癒しを親しんでもらうなど、より深く沖縄を感じていただくことが、今後の観光産業に必要なことだと考えています。観光客やインバウンドの方々が沖縄の魅力をしっかりと理解し、地域と経済の活性化を促進する新しい機会や交流を創出し、沖縄県の魅力を見つめる機会を提供できる環境や情報発信を築いていくことが理想です。

Q.図師さんの今後の目標をお聞かせください。
#05

沖縄観光の発展に向けて、リラックスの場や健康増進など、ウェルネスツーリズムに寄り添った施設を目指しています。私だけでは実現が難しいため、新しいメンバーや若い方々のアイデアや力も活用しながら、よりイノベーションを推進していきたいと考えています。
このような方針を持って、さらに沖縄観光に寄与していくことを目指しています。

Q.読者にメッセージをください。
#06

2つあります。
1つは、「癒しをライフスタイルに」です。美しい海に囲まれた沖縄観光は日常からの解放感から、健康へ良い影響を提供します。また、観光振興は経済への波及だけでなく、仕事やコミュニティの活性化、生きがい向上など、生活を豊かにする効果も期待できます。
2つ目は、観光産業の重要性についてです。観光業は宿泊からサービス、体験型、ITなど幅広い職種と働き方が存在し、その魅力を広めるには若い世代の力が必要です。新たな環境への挑戦は個人の成長につながり、沖縄の文化振興は観光客やインバウンド、そして皆様の幸福度向上に寄与し、最終的には健康で充実した生活につながると考えています。